傑作! 冲方丁「天地明察」

天地明察

天地明察

いやあ、巻置くあたわざる傑作でした。

算術、暦、囲碁……いずれも自分の心の琴線に触れることのない要素です。

しかし、さすが、2010年本屋大賞第1位、吉川英治文学新人賞

そのどの要素もが胸に迫り、頭を満たします。

その読後感たるや爽快!

脱帽です。

マルドゥック・スクランブル」も傑作でしたが、SFであったそれに比べて広い間口。衒いのないストーリーテリング

正直、一度でも、自分で創作文芸をやってみようと思った人なら――その人が素晴らしい才能を持ち合わせていない前提で言えば――打ちのめされるでしょう。

……こんな小説は自分にはとても書けない。

読むべし、「天地明察」!

畏るべし、冲方丁