青木真也−シャリオン。DH制無き投手同士の打撃戦

青木真也のことは、本当に評価しているんですが、先日の試合、対ビトー“シャオリン”ヒベイロを判定で下した試合は、個人的には、DREAMの今後のことを考えても、本当に残念な試合でした。
正直、今回は、この試合がほとんど唯一の一番の目当てだったのですが。

だいぶ前、もう何年も前に、野球評論家の江本孟紀氏が、プロ野球パリーグのDH制を批判して、

「野球は9人でやるものだ。プロなんだからピッチャーが打席に立たないなんて馬鹿なことがあるか。そんなの野球じゃない」

というようなことを言っていました(大意)。

しかし、自分は、一理あるけれども、それは違うでしょう、と感じました。

観客はプロフェッショナルのレベルの野球を見に来ているのであって、ピッチャーの付け焼刃のバッティングなんてプロフェッショナルのレベルに達していないんだから、観たかあないと。

打撃の優れたピッチャーの打席ならいいのです。プロレベルであれば。

しかし、プロ野球の技術レベルの中で、高校野球レベルのバッティングなんてまっぴらごめんなわけですね。

その意味で言えば、今回の青木とシャリオンの打撃戦は、プロ野球という最高峰の天王山において、ピッチャー同士の高校野球の打撃戦を見せられたようなもんだと思うんですね。甲子園レベルには達しているにしても。

青木とシャリオンの駆け引きは凄い神経戦だったと思いはしますが、どちらかがKOされるかも、という緊張感や期待感は正直皆無でした。そこに技巧はあったにしても、あくまでも「手段の為の打撃」でしたからね。

ファンが望んでいたのは、強打者同士の打撃戦、あるいは、優れた投手同士の投手戦だったんじゃないのかなあ。

今回のは、延長12回ドローに無理矢理勝ち負けを付けたようなもんだと思いましたねえ。
勝たなきゃいけない試合だったし相手のあることだから、難しい、苦渋の選択だったとは思うのですが……。

青木の寝技は大好きなんですがね〜。まあ〜堅い試合であり硬い試合でした。