津川さんの北野武批判について。

俳優・津川雅彦さんが、度々、北野武及び北野作品批判をしているようです。「笑っていいとも」でもしたらしいですがこれは未見です。私の知っているものでは、「アッコにおまかせ」でも「傲慢ですよ」と批判していましたし、亡くなられた伊丹さんの「マルタイの女」の完成パーティの冒頭挨拶でも、北野武さんがベネチアにおいて「HANA-BI」で金獅子を獲ったばかりのときにこれでもかというくらい北野批判をしていました。曰く、

マルタイの女は、ベネチアなんてものじゃないんです。自分だけ賞を取って、役者も育てない、経済にも貢献しない、そんな映画とんでもない」……。

しかし、北野武は、当時既に、大杉漣さんや寺島進さんといった俳優さんたちを発掘し育成していましたから(トヨエツだって言ったらそうですし西島秀俊さんもそうです)、「役者も……」については「変なこと言うなあ??」と感じていました。
 「経済にも……」についても、要するに「観客動員」のことを仰りたいのだろうなと思いつつ、6/20付けのこの日記に書いた

本や活字の世界についても同様のことが言えますが、何百万部と売れ読まれ、そして明日には忘れ去られていくマンガ雑誌がある一方で、数少ないながらもその少ない読者に深い印象を与え、または、感動を与え、語り継がれていく、そういう本もまた存在するわけです。また、海外という空間的な広がりもあります。

という思いもあったし、だったら日本アカデミー賞も観客動員の順で賞を決めたらいい、と軽口のひとつも叩きたくなるような感想を抱きました。自身が監督(「寝ずの番」)をされた今、これについてはどのように思っているのでしょうか。
 人格的(これは主に明石家さんまさん経由ですが(笑))には立派な方なのかなあという思いも一方にあるだけに、気になる事柄ではあります。

【関連エントリ】

津川雅彦さんの映画論は完全に間違っています。

http://d.hatena.ne.jp/manji_ex001/20151027/1445951353