電力自由化礼賛に異を唱える。2012年西部邁ゼミより

ニュースなどを見ていると様々な番組で、「規制緩和」の電力自由化についての詳細な説明、解説が行われていますが、知る限り例外なく「自由化礼賛」の論調です。

コメンテーターの発言も、「自由化は良いことだ」「遅すぎた」「安くなるからいいことですね!」等々の手放しのポジティブコメントばかりです。

しかし、この動画を観たら、少しは「本当に大丈夫かな?」と疑問が浮かぶはずです。
少なくとも、礼賛一色にはならないはずなのです。
日本の場合は、送配電は変わらず、という段階ですが、思想のベクトルとして、この手の疑義がひとことも無いというのが、今のメディアのすっとこどっこいなところでしょう。

この動画は、2012年の放送ですよ?

西部邁ゼミナール】電力の発送電分離は「火事場泥棒」2012.12.22

ここで東谷暁さんが紹介された海外での電力自由化後の価格上昇のグラフについては、東谷暁さんが、著書で、もっと詳らかに解説しておられますが、単純にざっくり言うと、自由化後、競争で電力料金は下がるけれども、やがて寡占化に陥り、価格は上昇に転じ、元よりも高くなってしまった、という欧州における実例です。

また、アメリカでの惨状も語られています。

普段、「海外では〜」とやたらと言い募るマスコミですが、この電力自由化についてはそういうことが言及されません。

これは一体、どうしたことでしょう?

せめて一言、「疑」の面も紹介されてしかるべきだと思うのですが……。

具体ではなく、イデオロギーの問題としておさえておきたいところですね。