西部邁さんが喉頭がん……。

個人的に、大ショックな情報です。

表現者』2013年05月号(48号)の座談会、「『無』について――日本的思想の可能性」の中で、さりげなく西部邁さんがご自身のガンについて触れておられました。

表現者 2013年 05月号 [雑誌]

表現者 2013年 05月号 [雑誌]

佐伯啓思さん、西田昌司さん、富岡幸一郎さん、西部邁さんというメンバーでの死や生にまつわる対談の中に、

(前略)
西田:西部先生の話を聞いていまして、例えば飛行機から落ちるでしょう。その瞬間、先生は最後地面に落ちるまで目を開けて、俺はどう考えているのか、常に最後の瞬間まで考えておられる。ところが僕なんかは目を瞑って終わってないことにしてくれと、プチッと切ってしまうことでそこに救いを求めてしまう。気を失ってそこで死んで終わりにしてしまって救われたいところが正直言うとある。

西部:まだ俺、落っこちてないはずだけれど(笑)、さっき佐伯君に言いましたが、自分の喉頭部に癌ができていると最近知った。それは全然構わないんです。どうでもいいんだけれども、自分で少しびっくりしたのは、ハイデッガーのことも関係してきますが、僕が七十四歳になるということもあるかもしれませんが100%に近く、何にも特別なことを感じないわけです。相変わらず煙草も酒も、明日の仕事に決定的に差し支えない限りだけれどもやっている。やはりハイデッガーは死の問題を誇大に考えたのではないかという気もする。
(後略)


という会話が――。

相変わらず読み応え満点な『表現者』ですが、とりあえずそれは置いておいて……

まだまだ西部邁さんには元気で頑張ってもらわないとこちらが困る、日本が困るわけです。
西田さんは、「西部先生は強いんです」と仰ってましたが、もう少し、弱気になってもらった方がいいくらいで……。

治療がうまくいくといいのですが……奥様の末期癌のことも気がかりですが、西部邁さんの存在は、西部邁さんだけのものじゃないんですから、とここは傲慢に言いたい気もします。

祈、完治!