おすすめ!ド直球ハードボイルド香納諒一「心に雹の降りしきる」

いやあ、久々に、国産ハードボイルドを堪能しました。

香納諒一「心に雹の降りしきる」

心に雹の降りしきる

心に雹の降りしきる

7年前に行方不明になった少女の遺留品が発見された。まったく期待せずに捜査を再開した県警捜査一課の都筑だが、数日後、情報をもたらした探偵・梅崎の死体が発見される。梅崎はいったい何を掴んでいたのか? 都筑は足取りを追う……。


ど直球です。ど真ん中です。いや、その読後感から言って「インハイ160キロストレート」と言った方がいいかもしれません。

香納諒一の著作は以前のエントリでも紹介しましたが、ここのところ遠ざかっていたんですよね。何故か。

それで、海外作家のジェフリー・ディーヴァーマイクル・コナリー等々の方面に行っていました。

しかしっ! ここにいました。やはり確かな存在感を持った日本人ハードボイルド作家が。

絶対のおすすめです。

花村萬月の強烈な音楽小説「ウエストサイドソウル」

西方之魂

西方之魂

を読んだばかりで、こちらも一気読みの快作だったのですが、続けての一気読みとなりました。

素晴らしいですぞ。たまらんですぞ。「心に雹の降りしきる」!

胸にどしんと来ます。

腰巻きより。

祈りは天に、想いは胸に。香納諒一が、刑事の魂を描き切る! はぐれ刑事の複雑な人間像。衰微する地方都市の実態。錯綜する事件の構図。驚愕の真相。すべてを、ここまで深く描けるとは……。香納諒一の警察小説は、どこまで進化するのだ!(文藝評論家:細谷正充)

これぞハードボイルド! これぞ男の物語! 涙や感動を押し付けるしゃらくさい小説や、これ見よがしのドンデン返しをカマす猪口才な小説の氾濫に飽き飽きしている大人の読者に捧ぐ。まさに生一本! 純度100%の超弩級警察小説!(有隣堂アトレ恵比寿店:梅原潤一)