日経新聞がTPP批判本の広告を拒否。そしてウィキリークス。

日経新聞がTPP批判本の広告を拒否。

三橋貴明
「日本経済新聞への質問」

 さて、以下は本日のタイトル「日本経済新聞への質問」ですが、わたくしはセンセーショナルなフレーズやイメージを使って国民を煽るジャーナリストじゃないので、単に事実のみを書かせて頂きます。本日のエントリーは、飛鳥新社様の許可を得ていることを、予めお知らせさせて頂きます。


 5月14日、東谷暁氏、中野剛志氏、三橋貴明の共著「「TPP開国論」のウソ 平成の黒船は泥舟だった」 が飛鳥新社から発売になりました。お蔭様で出足は好調だそうですが、飛鳥新社が本書について、日本経済新聞に広告を出そうとしたとき、事件が起きました。


 広告は、5月20日に朝日新聞日経新聞に掲載される予定だったのですが、朝日新聞には普通に載りました。ところが、日経新聞は広告掲載を拒否してきたのです。

 問題になったのは、「大マスコミの情報隠し」と「悪質なデマ」の二箇所です。この二箇所について修正しろと、日本経済新聞は代理店を通して言ってまいりました(相手側担当者は匿名のまま)。


 そこで、飛鳥新社側は二段階にわたって譲歩し、
「メディア上の情報の偏りを糺し」
「悪質な開国論」
 に修正すると伝えましたが、日経は最後まで譲ることはなく、掲載拒否となってしまいました。

 飛鳥新社は、代わりに23日に読売新聞で全5段の上記広告を打つ予定になっています。
 朝日や読売は、飛鳥新社側に審査で何も言ってきませんでした。日経だけが、広告ですら紙面に異論を許さないという姿勢であることに、飛鳥新社及び三橋は心底から疑問を感じております。


 日本経済新聞がTPPを推進していることは、周知の事実です。だからと言って、自分たちに異論を述べる広告の掲載を拒否するとは、とてもではないですが「公器」などと名乗る資格はないでしょう。


 日経新聞を含め、日本の新聞社の多くは国有地を財務省に安く払い下げてもらい、かつ再販制度の特殊指定という「規制に守られ」、ビジネスを展開しているわけです。(この辺りの詳しいことは、拙著「マスゴミ崩壊! 」をご参照下さい。)さらに、一度倒産しかけた毎日新聞を除き、株式譲渡制限の特権により、株主を身内で固めています。もちろん、日本の新聞社は全て「非上場」です。


 特殊指定により市場競争から守られ、株式市場の株主に監視されることもなく、安く払い下げてもらった国有地でビジネスを展開している新聞社が、広告掲載において「言論統制」までするわけですか。


 わたくしたち三名の著書に文句があるのであれば、社説でも何でも使って反論すればいいのです。


 自分たちは「平成の開国!」「世界から孤立する!」などと、フレーズとイメージを用いてTPPを煽り立て、わたくしたちのデータや事例に基づくTPP反対論は受け付けない。

 日本経済新聞は、これでも「自分たちは社会の公器である」などと主張できるのですか?
 読者の皆様、本エントリーの拡散をお願い致します。

いやはやなんとも……。

ウィキリークスの話は本当か。

TPP:米NZ両国の思惑をウィキリークスが暴露!「日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる」


ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った。(米国大使館公電から)
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でニュージーランドと米国は、農地への投資制度や食品の安全性などの規制や基準を統一した「絶対標準」を定め、受け入れ国を広げることで経済自由化を進めようとしている――。TPP交渉を主導する両国のこうした狙いが、在ニュージーランド米国大使館の秘密公電に記載されていた両国政府の交渉当局者の会話から浮かび上がった。ニュージーランドの交渉当局者は「絶対標準」を受け入れさせる国として日本と韓国を名指ししている。これは国内の規制や基準の緩和・撤廃につながり農業だけでなく国民生活の多くに影響を与える可能性がある。公電は、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が公表。ニュージーランドの当局者らへの取材と合わせて分析した結果を報告する。
囲み記事は2010年2月19日、ニュージーランドのシンクレアTPP首席交渉官が、米国務省のフランキー・リード国務副次官補(東アジア・太平洋担当)に語った内容だ。シンクレア氏は、TPPの目標が農産物などの市場開放だけではなく、アジアなどで推進する米国型の経済の自由化が両国の長期的利益につながると強調した。
公電は、ニュージーランドウェリントン市内で行われた両者の会談の概要を、当地の米国大使館がまとめた。「秘密」扱いだ。外交を担当する国務省だけでなく、農務省や通商代表部などにも送るよう記述してある。
日本農業新聞の取材に応じたシンクレア氏は、公電にある自分の発言に対する真偽については確認を拒んだ。しかし、TPP交渉では投資や金融、知的所有権など幅広い分野が対象になり、中国を含めたアジア太平洋州で経済の自由化を進めることが交渉の目的であると強調。実質的に公電の内容に沿った発言だ。
公電によると、シンクレア氏が強調したのは、日本と韓国などに「絶対標準」を受け入れさせることの重要性だ。農地や農業関連分野への投資が米国などに比べて難しいとされるアジア市場で、TPPをてこにして、自由貿易圏を広げていくことが長期的な目標だと明言。米国と同一歩調を取る考えを明らかにした。
両国の交渉当局者が、国の違いを超え通商や経済の自由化の障害となる規制や基準を緩和・撤廃させるための仕組みづくりを話し合っていたことがうかがえる。


いやはやなんとも……。