北野武「アウトレイジ」感想（バレなし）
一言で言うと快作でした。
自分にとっては、決して北野武最高傑作ではなかったのですが、個人的には、監督第一作「その男、凶暴につき」が脳裏に浮かぶ映画でした。
細かいことは色々あります。
敢えて感情移入できる「主役」を設定しないということで、起承転結やクライマックスシーンがわかりにくく、これはこの映画のどのくらいの部分のシーンなんだろう？ というのがあったりしました。
ですが、逆に言えば、全編通してクライマックスシーンとも言えるし、ほぼ全員に等分の視線を振り向けられるということでもあります。
決して、駄作ではありませんでした。
傑作ではなく快作。
とりわけ俳優陣の演技が素晴らしい。また、北野作品には珍しく練られたストーリーもいい。
以前、「北野武作品、極私的ランキング」を載せましたが、エンターテイメントに徹して撮られた今作は、（色んな意味で）ランキング番外でしょうか。
それにしても……
品田雄吉（映画評論家）
☆☆☆
ほとんど暴力描写だけの北野武映画。出演者たちはみんな
のりのりで好演している。しかし私は暴力が嫌いなので……。
中野翠（コラムニスト）
☆☆☆☆
物語的な厚みには欠け、正視できない残酷場面もあるが、俳
優達ののびのびとクサイ演技が楽しい。変種の喜劇として見た。
芝山幹郎（翻訳家）
☆☆☆
「全員が悪人」の割にはリアクションが予定調和。「処刑」のた
びに活劇が停滞するのももどかしい。加瀬亮が断然魅力的だ。
斎藤綾子（作家）
☆☆☆
誰もが悪人で裏切りが当たり前という侠客の心意気のカケラ
もない展開に鳥肌が。加瀬亮の軽薄な悪役ぶりが面白い。
おすぎ（映画評論家）
☆
スターさんたちの“ヤクザゴッコ”にしか見えなかった
おすぎ←なんだろう、この方。
