青木真也−廣田瑞人、青木の振るまいについて。

OMASIKI FIGHTさんで紹介されているように、青木の行為が世界中で顰蹙を買っている。

いや、かつてRINGSで行われた成瀬昌由vsイーゲン井上(ガチンコRINGSルール)で、追い込まれ不利だったイーゲンが突如暴走し反則負けの裁定が下った後、成瀬がコーナーに立って「Fuck you」ポーズを出したときに、セコンドにいた弟のエンセン井上が烈火のごとく怒り、数年経った後にも「嫌いな選手:成瀬」と記すほどに、海外での方がよりあの中指ポーズを問題視しているとも言える。それは、まあ当然のことだろう。

自分は、青木の実力はもの凄いと思っているし、展開によってはアートとしか表しようのない素晴らしい技術も頻繁にみせてくれることを高く評価している。このブログでも青木のフットチョークを激賞したこともあった(はず)だ。

試合前のことはいい。試合を盛り上げるプロの仕事だ。
試合後でもこれが「エンターテイメント」だと割り切れば、ひょっとしたら許容範囲かもしれない。

しかし、これまで青木は何度も何度も「自分がやっているのは競技だ」と繰り返してきた。

しょっぱい打撃戦に終始した試合と言わざるを得ない青木vsシャリオン戦についても「何が悪いのか。競技なんだからあれでいい」というような発言を貫き通している。

自分などは、以前のエントリで、「青木真也−シャリオン。DH制無き投手同士の打撃戦」のようなことを書いたし、「では、第一試合からメインまで全部あのような試合だったとしても、競技だからいいと言えるのでしょうか?」と思っていた。
「観に来てくれる客、観客あってこその大会だし、継続するものなのだから、その構え方は些かひねくれていませんかね〜」と思っていた。

しかし、前述のように、青木は素晴らしい技術を持っているし、シャリオン戦のような試合ばかりなのではないのだから、シャリオン戦をいつまでも肯定し続けることも、「ここ一番。絶対負けられない試合。僅差で判定勝ちを狙うことがあっても、(メインイベンターであっても)仕方がないだろう」と思っていた。

ただ――

「競技」「競技」と強調するのであるなら、あれはないだろう。スポーツマンシップの欠片も無い行為だと言わざるを得ない。「競技」であれは無い話だ。「エンターテイメント興行」と割り切らないと通らない話だ。

これからも、青木は素晴らしい試合や技術を見せてくれるだろうし、自分の行いは全て自分に返ってくる。
今頃は、何もさせてもらえなかった廣田も、身悶えするほどの悔しさの中にいるはずだ。

どちらも、この大晦日の試合を糧に、変化や飛躍をしてくれることを望みたい。