美味しんぼには与しない。

 今、マンガ「美味しんぼ」とコラボしてラーメン番組をやっているが、「美味しんぼ」には私は最近否定的である。というか、いつからかそう思うようになった。
 本当の蘊蓄を求めるなら、「築地魚河岸三代目」や(設定には美味しんぼの影響が多く伺えるもののあくまで役立つ蘊蓄を求めるのならば)「ラーメン発見伝」を読んではどうかと私などは思ってしまう。
 「美味しんぼ」については、評論家の関川夏央氏が手厳しい発言をしている。

http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/uogashi.html
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/kodoku-no-gurume.html

自然食品の優秀さについてはうんぬんしても、そのコストについては語らず、結局は社会が悪い、悪い社会はどうしようもないから財力を貯えて自然食品を買いつづけるという態度は、少なくとも流通不安を呼ばない。この作品もまた八〇年代の明朗なニヒリズムの産物に違いなく、ニヒリズムを雑知識で武装して足れりとする傾きは、現代日本をみごとに体現しているといえる

 こういうところもあった。
http://scrapbook.ameba.jp/aigamo_book/entry-10013390616.html

 また、これは私の知識の範囲外なので、ことの真偽は保留するものの、マンガ「コンシェルジュ」では、第48話・第49話に、誰もに美味しんぼ原作者を連想させるであろう人物を登場させ、「農薬や食品添加物に関してだけでも誤情報が多く……」「無農薬だから危険なのです……」といった話が展開された。

 そして、「養殖もの」などを普段食べている人に「天然もの」を食べさせ、その味に感動させる展開も誤りであることが、TV番組「世界一受けたい授業」において証明されている。
 天然ものの鯛と養殖ものの鯛をどちらがどちらであるかを明かさず出演者全員に食べ比べさせたところ、なんとほぼ全員が、「養殖もの」の鯛の方が美味しいと判断したのだ。この「授業」を担当した先生には、そうなることは当然想定済みだった。

 農薬もの批判は簡単だ。しかし、それは、食糧難の無い今ここだから言える「贅沢」であると個人的には思っている。

 以上、舌バカでトリュフもフォアグラも食べたことが無い底辺の人間の戯れ言だった(爆)。