[言論]いじめ−爆笑問題と武田鉄矢問題
今更言うまでもない当たり前のことだけど
もう旧聞に属する事柄になるが、武田鉄矢のいじめ問題に関する発言が波紋を呼んだ。
「政治バラエティーなど外野は少し黙ったほうがいい」というものだ。
「文科省の人と対決してという構図は見栄えがいいかもしれないが……」(字句不正確)という発言内容もあって、それが爆笑問題の太田光のことを指しているのではないかとの推測も多く流れた。多分そうなのだろう。
個人的には、多くの人と同じように武田鉄矢の「3年B組金八先生」の第二シリーズにおける中島みゆきの「世情」をBGMにしたシーンは、現在の自分の思想とは別にして、日本のTVドラマ史に燦然と輝く名シーンだったと今も思っている。
また、「自分もいじめ問題と30年間向き合ってきましたけれども」という「そりゃ、ドラマの中の設定内での話でしょう」とつっこみたくなる言葉は別にして、今回の発言内容も、それほどおかしい発言をしているとは思わない。
対して、個人的には、太田光のことも嫌いではない芸人だ。あくまで芸人としては、であるけれども好きな部類に入る。
その上で、しかし、である。
武田鉄矢さん、「外野」はないだろう、「外野」は。
確かに、太田の「私が総理大臣になったら……」での、今回のいじめ問題に関する発言は完全に外していると私も思ったが、その善し悪しは別にして、いわゆる「いじめ問題」は、いじめ被害者として、加害者として、傍観者として、親として、おおよそ全ての日本人が紛れもなく「当事者」ではないのか。
そこは、私も「加害」「被害」「傍観」の「当事者」であったものとして、念を押しておきたい。