茂木健一郎氏も「どんぐりの背比べ」の「どんぐり」に過ぎない。

脳科学者・茂木健一郎氏がTwitterで「ネトウヨ」を批判「きみたちが熱を上げていることって、本当に人生のエネルギーを注ぐに値するのか?」

11日、脳科学者の茂木健一郎氏が、Twitterで「ネトウヨ」とよばれる人々に対する批判をつづった。

この日、茂木氏は、「『戦争できる国』になるため憲法解釈をこねくり回す暇があったら、『戦争を回避できる国』になれる外交力を磨いて欲しい」という新聞のコメント記事を引用し、「その通りだね」とTwitterに投稿。続けて「政治的リソースを割く先を、明らかに間違っている。やるべきことは他にたくさんあるよ。」と持論を展開していた。

こうした意見には、ユーザーから様々なコメントが寄せられたが、茂木氏は批判めいたものが気になったのか、その後「TLを見ていると、頭悪いやつが多くて本当に驚くね。びっくりするレベル。頭の悪いやつに限って、威勢がいい。そんなに威勢がいいんだったら、他人に迷惑をかけずに、自分でぜんぶやればいいのにと思う。」と投稿。

さらに「これだけ威勢がいいんだから、ネトウヨ志願兵だけによる、ネトウヨ部隊つくればいい。きっと、外交努力も話し合いもムダとばかり、『美しい日本』を守ってくれることでしょうよ。」と、「ネトウヨ」に対して皮肉めいた言葉を投稿した。

また、茂木氏は「国として、国際社会の中で安全を図るためのさまざまな配慮をするのは当たり前。しかし、外交はそのための最大の武器である。近隣諸国と首脳会談もできないような指導者は、その時点で失格。そのような指導者を支持する威勢のいいやつらは、本当はバカで、真の国益などわかっていない。以上。」と、安倍晋三首相がG7サミットの前にアメリカのオバマ大統領に会談を拒否されたことを揶揄するかのようなコメントも投稿している。

さらに、「ネトウヨ」に対して「まず、総理から前線へ。 この名作ポスターの 修正版が必要やな。」とという言葉とともに、1982年に糸井重里氏がコピーを手がけた反戦広告の画像を投稿。「『まず、ネトウヨから前線へ』 しかし、よく考えてみろよ、ネトウヨ諸君。きみたちが熱を上げていることって、本当に人生のエネルギーを注ぐに値するのか?」と、挑発的な言葉を投げかけている。


脳科学者・茂木健一郎氏がTwitterで「ネトウヨ」の定義を説明
ネトウヨを批判するツイートをした時に、怒って私に反論したり私を罵倒したりされる方々が、まさにネトウヨ」とバッサリ

13日、脳科学者の茂木健一郎氏が、Twitterの質問に返信する形で「ネトウヨ」の定義について説明した。

11日にネトウヨを痛烈に批判した茂木氏だが、茂木氏のもとには、いわゆる「ネトウヨ」から多くの反応が寄せられていたようで、13日に茂木氏は「しかし、ネトウヨ諸君も、しつこいなあ。(笑)。」と呆れ気味のツイートをしている。

そして茂木氏は「ところで、『ネトウヨ』の定義は何かというご質問を複数の方から受けていますが、私が『ネトウヨ』を批判するツイートをした時に、怒って私に反論したり私を罵倒したりされる方々が、まさに『ネトウヨ』だと思います。なぜならご自身で『あっ、自分のことだ』と思っているわけだから。」とツイート。

ネトウヨ」とは本来はネット右翼、つまりネットで右翼的な言動を行うユーザーを指していたが、近年は範囲を拡大して、韓国や中国を執拗に批判する嫌韓・嫌中的なユーザーや、ネット内にとどまらず現実でも排外主義的な行動をしている人間を含めることもあり、定義があいまいな状態だった。

しかし茂木氏はさらに範囲を拡大し、茂木氏の「ネトウヨ」批判に怒る人すべてを「ネトウヨ」と認定した。こちらのツイートも賛否両論を呼んでいる。

ただ、茂木氏は一方的に右寄りのユーザーを批判しているわけではない。たとえばTwitterで右寄りの発言を繰り返す百田尚樹氏については、「百田尚樹さんは価値観が違うけれども、ツイートを見ていると、そのユーモアのセンスは、素敵だと思う」としている。


茂木健一郎さんが上のような丁丁発止のやりとりをTwitterでなされているようです。
過去の「言論」エントリを読んでいただければわかるとおり、私は、ネトウヨではありません
私は、日本の移民政策に反対しておりますが、排外主義者でもありません。
私は、人種差別用語は使いません。

私は、本当の意味での「保守」でありたいと思っていますから、現在の安倍さんを――第一の矢を肯定し、第二の矢は反故にすべきでないと考えている立場であるものの――第二の矢は肯定どころかもっと拡大させるべきだと考えているし、第三の矢――いわゆる成長戦略、ぶっちゃければ構造改革――を理由に支持しておりません

ネトウヨではないので、茂木健一郎さんの今回のツイートにカチンとはしないものの、発言があまりに出鱈目で、ひとこと諫言申し上げたくなってしまうのは、仕方がないと思っています。「私に反論したり」するのが「ネトウヨ」だというのなら、私はネトウヨにされてしまうのでしょうが、断じてそんなことはありません。

まず申し上げれば、今さら口にするのも躊躇われるほど自明なことですが、「戦争」というものは、点で存在しているのでなく、「外交」の延長線上に位置するものです。「外交」そして「紛争」(ディスピュート)、つまりは言ってみれば口喧嘩の末にあるのが「戦争」であるわけです。

であるからには、「戦争」をする、しない、できる、できない、等々の問題が、「外交」に影響しないわけはないのです。それには当然「抑止力」も含まれます。ですから、それらを別個の別次元の問題として「政治的リソース」とか言ってしまう茂木さんは間違っています。

また、私は、単なる反左翼、単なる反韓、単なる反中を否定しますが、だからといって、左翼も褒められたものではないと思っています。左翼を希釈した「サヨク」についても同様です。

茂木さんですが、過去にこんなツイートをされていたのを覚えていたので、検索して探し出しました。一分もかかりませんでしたが。

茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-04-29 08:22:20
中野剛志さんの反TPPの本、一冊途中まで読んだけど、やめちゃった。だって、イデオロギーで凝り固まっていて、最初から結論があるんだもん。あれは学問じゃなくて、何か別のものだなあ。


これを読む限り、どうも茂木さんは、イデオロギーは悪いもので、自分はイデオロギストではない、と思われているようなのです。
「人はあらゆるイデオロギーから自由であるべきだ! それが正義!」という類の……。

でも、上の茂木さんの文章を矯めつ眇めつ読むと、どう考えても、茂木さんはサヨク的なイデオロギストです。しかも、自身がイデオロギストである、という自覚が無いという点において、たちの悪いイデオロギストである、と言ってしまっていいと思います。

そして、よくこんなにエネルギーを割いて、見当違いな正義感で突っ走っておられるなあ……と感心することしきりです。

茂木健一郎さん、ご安心ください。あなたも、身長を測る係じゃなくて、私と同じ、測られる側の「どんぐり」ですから……。