西部邁さんのインターネット論。

……といっても、殊更採り上げる必要性も感じないのですが、「批判への批判的な意見」があるらしいので、一応、ここに残しておきましょう。

西部邁さんは、著書『無念の戦後史』において、インターネットに半ば批判的な論をロジカルに展開されていますが、全否定されているわけでもありません。

別に、西部さんが、ネット批判をしようがアニメ批判をしようが、それは西部思想の根幹とほぼ無関係ですので、構えずに、是認できない人はスルーすればいい。それだけのことです。

一応触れておけば、以下が、『無念の戦後史』の中のインターネット論にまつわる記述の末尾です。

後尾に就いて不満なし

 ワープロに触れたことが無く、携帯電話も持ったことがない。それが私の場合である。ついでにいっておくと、カーの免許をとったことがなく、ゴルフ場に入ったこともない。それで不自由を感じないでこれたのは、他人が情報にかんするものを含めて技術に慣れ親しんでくれているからだと承知してはいる。しかし、技術の発展過程に急いで参加することはない。いずれ技術の方が私を(招いたわけではないのに)訪れてくるのだから、と構えて不都合はなかったし、その程度の(進歩にたいする)反動は許されて然るべしと思う。
 とはいえ、ほんの時たまに、事務所の女性にワープロを打ってもらったり、歴史的事実などを調べるためインターネットで情報検索をやってもらったりはしている。要するに、行列の後尾に就くのが私における生来の気質だということである。