NHK「激論!TPP」を批判する。

NHKで放送されていた『双方向解説 そこが知りたい!「激論!TPP」』を見ました。

NHKの解説委員同士が討論する、というものなのですが、これがひどかった。

出だしは「いいかなあ」とも思ったのですが、消極派・慎重派の方もいるものの、ほとんど賛成派が感情に任せて噛み合っていない意見で口を尖らせてまくしたてるという内容で、「双方向」というのもメールやFAXを募って一部を紹介したりするだけだったのですが、議論は、ほぼ「農業」。

しかも、農業改革をしなきゃいけない、というのですが、それはいいけれども、どうしてTPPでなくてはいけないのか? 外圧頼みの域を一歩も出ていないどころかそれを公然と明言する。

年配の嶋津八生さんという賛成派の解説委員が、特に発言が多く、感情論でしゃべりまくっていましたが、この人は、アメリカの農家が、日本の農家以上に補助金漬けだということも知りません。誰もそこをツッコミません。

嶋津さんも、紹介されるメール・FAXの賛成意見も、まるでアメリカの農家は健全経営で自立していて、という前提で、議論が展開され、日本の農家を批判したりするので、まったく空理空論で終始していました。

嶋津さん、「魚沼産のコシヒカリとか今だって輸出している。いいものを作れば対抗できるんですっ!」というような論調を繰り返し激しくもの申すわけです。

あの〜、アメリカでは既に、コシヒカリを作り始めていて、一年ほど前のテレビ番組で、日本人の一般の人が、日本米と食べ比べても区別つかずに「同じくらい美味しい」という結論でまとまっていましたよ。

日本の米の関税が撤廃されれば、今以上に、アメリカや豪州の農家は、コシヒカリ作りまくりますよ。

それ以前に、TPPに参加したら、日本の食糧自給率は、40%から13%へ低下する、という試算がでているわけで……。

で、農業以外の問題は、取って付けたような自由貿易礼讃論が中心。

……お話になりませぬがな(笑)。