『KAMINOGE 12』前田日明−青木真也対談……徒然に。
- 作者: KAMINOGE編集部
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2012/11/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
読んで思いを馳せたことをつらつらと。(ざっと読みですが……もちろん買いました(笑))
前田日明さんの意見も、言い方に気を付ければ「もっともだ」という話が多いのですが、繋げ方、連関が乱暴なので、語り口も相俟って、伝わりづらくなっている面は否めません。情熱はわかるのですけども。
まあ、それでも、「前田日明が話している」という前提に覆面をかければ理解を得られる発言も多かったように思います。
それと、この問題――「真剣勝負」なら「折らざるを得ない」か?
青木真也さんの言い分はすごくよく理解できるのですが、プロでもアマでも完全に極まってから、極めた側がある程度以上は「がつん」といかない――そういう選手も多いように思います。
桜庭選手の全盛期なんかも「これ以上やると折れる」とレフェリーにアピールしていたことが何度かありました。いや、それでホイラーは「俺はタップしていない」と抗議し、周りにも「あれはキムラロックとしては不完全」などと波紋を呼んだこともあったのですが(笑)。
自分は、柔道には全く明るくなく、よく観てもいないのですが、十年以上前の全日本、講道館杯かなにかだったでしょうか? 土曜日だか日曜日だかの昼下がりにやっていた中継でたまたま観たのですが、男子の試合で、まだ時間が2分以上余っているのに完全に腕ひしぎ十字固めが極まってしまったにも関わらず、極められた方がタップせず、時間切れとなり、極められた方が判定負けとなった試合がありました。極められた方は、「意地でも参っただけはしたくなかった」と言っていましたが、極めた側の加減次第という側面があったのは事実でしょうね。靭帯伸ばす気でがつんと言っていたら、試合後ちょっと肘を抱えて痛がるだけでは済まなかったでしょう。
ガチンコでも人次第、というわけです。
そして、青木真也さんはがつんと行っちゃう側の人間だと。
あと思ったのが、格闘家の「プロフェッショナル」な「実力」の優劣は何で決まるのか?
技術に優れた、より格闘技に長じた選手が「優れた格闘家」であるということは論を俟ちません。
しかしながら、決して重ねてはならないのは、観客を多く呼ぶのに優れた、視聴率をより多く稼ぐのに長じた選手こそが「優れたプロフェッショナル」である、ということです。
何故なら、プロ格闘家が生業として、どうやってお金を得るかと言えば、観客(テレビを含む)から直接的・間接的に得るものであり、その「お金をたくさん得る力」こそが「プロ格闘家」の「実力」と言えるからです。
もちろん、勝つ選手に人気が集まりやすく、よりお金を獲得しやすい、という点を見逃してはなりませんが……。
あとは、うーん、どうでもいいや、時には議論しながら、時には対立しながら、仲良く格闘技界を盛り上げていってください。
リングスの発展と青木真也さんの今後の活躍を祈りつつ……。
by 日本の格闘技人気の衰退傾向を体現しているファンより。
蛇足:吉永啓之輔インタビューでの前田日明とのスパー話。
以前のエントリ
宮田和幸が語る前田日明の「強さ」
http://d.hatena.ne.jp/manji_ex001/20110424/1303640996
に関連した「前田日明スパーリングいまでもやれるよ伝説」(笑)。
グリフォンさんやカクトウログさんが、それに続く詳細な前田−宮田スパー話に触れておられましたが、ここで、もう一人証言者が。吉永啓之輔さんです。
吉永 はい、一回来ていただきましたね。一緒に練習して、寝技のスパーリングをやらせていただきました。
――えっ、前田さんとですか!?
吉永 メチャクチャにされそうになったんで、途中で「やめましょう」って言いましたけど(笑)。危ないッスよ。技がえげつないですね。エグイです、全部が。